急性腎盂腎炎の症状
急性腎盂腎炎の症状は、腰から背中にかけて痛みが生じ、高熱と悪寒、悪心、嘔吐、震え等の全身症状を伴います。高熱は一般に38度を超えます。
また、頻尿や残尿感などの排尿障害や尿の濁り、血尿などが発生します。なお、高齢者の場合は上記の全身症状は発生しにくいことがあります。
急性腎盂腎炎の原因
急性腎盂腎炎の原因は、細菌感染です。原因菌は複数のものが挙げられ、大腸菌、緑膿菌、シトロバクター、プロテウス、セラチア、クレブシエラなどが多く確認されています。その他、ブドウ球菌や腸球菌によるものも確認されています。
感染経路は、膀胱炎を引き起こす細菌が尿管を経由して腎臓に至るケースが多く、尿路上行性感染と呼ばれています。なお、女性に多く見られる膀胱炎は多くが大腸菌と言われています。
また、尿路状態が悪化していれば急性腎盂腎炎に至りやすいと言われています。例えば、尿路(腎盂や尿管)の形態異常や、尿管結石、尿管狭窄、前立腺肥大症を患っていれば、急性腎盂腎炎を引き起こす可能性も高くなります。
その他、糖尿病や痛風などの全身疾患によっても急性腎盂腎炎に至りやすいという報告もあります。
その他、血行性感染と言われるもので、身体上に化膿部分があれば、膿(菌)が血液の流れに乗って腎臓に至り感染するという経路もあります。
血管ではなくリンパ管経由の感染もあり、その場合はリンパ行性感染と言われています。特に疲労などにより免疫機能が低下している場合に、このような感染が起きやすいようです。
急性腎盂腎炎の治療法
急性腎盂腎炎の治療法は、抗生物質による薬物療法が中心となります。原因菌が多種多様であるため、それぞれの菌に有効な薬物を選択して使用します。そのため、菌を培養して原因菌を特定する検査を行います。
また、高熱になれば脱水症状を起こしやすくなるため、点滴を行います。その他、腎盂を綺麗にするため水分摂取量を増やし尿量の増加を試みます。
なお、治療中は安静を心がけることも大切です。正しく治療を行い、その間安静にすることで、おおよそ1週間前後で改善します。完治すればこの病気の予後は良好で、腎不全などのような腎機能に影響が出ることはほとんどありません。
もし、尿管の形態異常によって引き起こされたものであれば、別途そちらの治療が必要となります。